2.プロジェクト始動の背景

 オーエスジー株式会社は、1938年に東京で創業し、2015年3月に77周年を迎えた切削工具メーカーです。タップ・ドリル・エンドミルをはじめとする切削工具、測定工具などの製造・販売事業をグローバルに展開しています。主要ユーザーは自動車をはじめ、世界中のものづくりに広がっており、近年は航空機関連の加工に携わる企業が急激に増えています。

 そんな中、2015年6月パリにて開催された航空ショーの会場でオーエスジー常務取締役である大沢二朗はアストロスケール社の山崎氏と出会い、今回のプロジェクトについて強く共感しました。

 人類は宇宙開発という名のもとに、ロケットや人工衛星、宇宙ステーションなど、さまざまな取り組みをする中で、その残骸である宇宙ゴミ・スペースデブリが宇宙開発の大きな妨げになっていること。またその問題はたいへん深刻であり、人工衛星、気象衛星あるいはGPSといった身近なものの存在をおびやかす、「今すぐそこに迫る大きな危機」であることを知りました。

 これまでにもオーエスジーは、ものづくりを通して、世界中のみなさまが幸せに暮らしていける社会作りに貢献したいと願ってきました。地球環境問題に対しても関心は深く、宇宙という空間が大変なことになっていることを知って、更に大きなショックを受けました。

 オーエスジーのブランドメッセージである「shaping your dream お客様の夢をカタチに」は、お客様の、ひいては世界中のみなさまの幸せのために役立つような企業であり続けたいという創業以来の願いを込めたものです。

 今回はアストロスケール社の岡田氏をはじめ、研究者のみなさま、宇宙開発に携わるすべてのみなさまが、今まさに「スペースデブリ問題」に真正面から挑戦しようとする姿に大きな感銘を受けました。アストロスケール社の大きな挑戦にお役に立つことができるのではないか、そんな気持ちに突き動かされて、スポンサーになる決意をしました。