3.スペースデブリの恐怖

スペースデブリの恐怖|イメージ

 スペースデブリはこの5年で爆発的に増え、10cm以上のデブリは1万6000個を超えた。特に、2007年の中国の衛星破壊実験で発生した約3000個のデブリは国際宇宙ステーションの軌道と交差し、滞在する宇宙飛行士たちを脅かしている。デブリの速さは秒速8km。超高速衝突実験によると、たとえ10cm以下の小さなデブリであっても、人工衛星を爆発させるほどの破壊力を持っているという。

そしてスペースデブリはデブリ同士の衝突によって発生した破片が次の衝突を引き起こし、次々と衝突が連鎖的に起きる事態(自己増殖)が懸念されている。これは「ケスラーシンドローム」と呼ばれ、デブリの空間密度が臨界値を超えると進行を止めることができないという。

 アメリカの通信衛星イリジウム33号とロシアの軍事用通信衛星コスモス2251号の衝突など、活動中の衛星がデブリに衝突したことが確認できている例がある。他に故障の原因の可能性の一つとしてデブリ衝突が疑われるものや、デブリの軌道が急に変わるなど、デブリが衝突したと思われる例も多数存在する。また地上に持ち帰られた宇宙機の表面検査により、デブリの衝突痕が多数発見されている。